2003 年度 感想文(順不同)
 選ぶ物が無いかもなあ。昨年はCDを落ち着いて聴く暇が無いというよりは、聴く情熱も無かったよね。新譜買ってねえなと思い、駆け込みで買った数枚が、これまたヒドイ。評論家に騙された気持ち。
 しかし並べて聴いて、1曲ずつ集めていくと、気分は盛り上がってきて、17曲も集めてしまった。思えば、感想文書き始めて21年、あの時もこんな愚痴で書き始めたかも。ははは。ボヤキ漫談。ツブヤキシローのような芸風。
 それでは曲ごとに、気楽に書きます。
1. JIMI HENDRIX   [HEAR MY TRAIN COMIN'] 1970
 4年前にもジミヘンの長い曲入れたけど、これも12分コース。アルバムタイトル「ブルーズ」ですけど、これこそがロックですな。2'50秒過ぎて歌が始まる。比重は勿論ギターに有る訳で、これはもう良い音とか、優れた演奏とか言うのも空しい。魂の咆哮と言ってもまだ足りない。絶句するのみ。

2. MACY GRAY     [WHEN I SEE YOU]  2003
 FMで聴いて、古き良きソウルミュージックかなと思ったら、新譜ですってんで買ってみた。ジャケ見て、あぁセクシーオバサンか、と引いたけど、これは良い。生演奏だけのバックも良い。なによりハスキーで可愛気のある声。バラードも素敵。私は張りの有る美声が嫌いで、全てのディ−バ系がイヤなんですけど、コレは良い。
 サビのことを英語でミドルエイトと言うのですが、正に8小節だけ雰囲気かわるけど、あとはワンパターンでグイグイ引っ張る。日本人の作る曲にはコレが無い。コレが出来ない。
3. TIMBALADA       [EMILIO]    1993
 食わず嫌いでした。カルリーニョス・ブラウン率いる総勢100名を越す大軍団。で「チンバラーダ」だし、ジャケットがオッパイだし。しかしサウダージよのう。ブラジルって素敵。バイーアは世界一音楽が豊かな街なのね。この曲だけゲストのジョルジ・ベンジョールの曲で、歌も彼だそうです。

4. THINK OF ONE      [OU TU VAS?]   2002
 この曲は例外的にポップで、ネグレスヴェルトとかを思わせるけど、他の曲は妖しい変拍子とか、エキゾチックにも程が有る濃い世界。モロッコのグナワ音楽に魅せられたベルギーの音楽家?ツェッペリンやキンクリもモロッコの影響有りということです。成る程。
5. SKETCH SHOW  [FLY ME TO THE RIVER]  2003
 FLY ME TO THE MOONと、TAKE ME TO THE RIVERを合わせたようなタイトル。釣りの歌なのですね。ま、意味はどうでも、この曲は好き。カッコイイ。今回のアルバム、ユキヒロさんのセンチメンタリズムが全面に出ていて、それはちょっと照れくさい。でも音作りは凄いな。カッコEですよ。

6. タイ   [リス族の笙と踊り]  0'55"
 ETHNIC SOUND SELECTION(地球の声)8枚組。1枚ずつ中古屋で探して、10年かけて8枚揃った。この曲、前の曲の続きだと思ったでしょ。不思議な音楽だよなあ。リス族って…ゲッシモク?
7. セネガル    [ウオロフ族の合奏]  3'13"
 同CDから。何度でも同じ事書くけど、こんな素晴らしい音楽聴くと、何をもって未開と言うか、何が文化か、何が進歩か考えさせられる。ところで、私の知る限り、アフリカには太鼓が割合少ないと思うのだが、ここでは珍しく激しく息の有ったタイコの演奏が聴けました。

8. DOLORES KEANE & FAULKNER [THE WEE WEAVER] 1983
 私は60、70年代洋楽ファン、ロックファンで、以後は逆に白人に偏見が有ります。キビシイです。特に優れたプロのミュージシャンは鼻につくので嫌いです。今回も17曲中14曲は有色人種だ。で、たまにはケルトも聴いとくかと買ったこのCD。2曲めまではゲンナリ。音楽アカデミーの教材みたい。でも3曲目から田舎臭くなって素敵でした。あっ!1と2が90年代で、3からは70年代物が多かった。やっぱ昔は良かったのね。
9. BLIND BLAKE  [BLIND ARTHUR'S BREAKDOWN]  1929
 優れたプロのミュージシャンの超絶テクニックでも、これは鼻につかない。酒場のダンス音楽だからね。BLUES & SOUL RECORDS,No50の付録です。1600円安いっ!これは人類の宝だよ。六弦の至宝だよ。ライクーダーの先生だよ。カントリーブルースの最古のヒットが1926。よくぞこの盲目のブルースマンの録音をして下さった。CDの後半は、これも凄い、盲目のブラインドレモン。レモンもブレイクも写真は1枚しかないようです。いつも同じ写真ですから。昨年はチャーリーパットンの全身写真が発見されたという話題も有りました。

10. EDDIE BOYD    [WHAT'S THE MATTER BABY?] 1956
 もう1曲ブルーズを。これは50年代ピアノブルーズを集めた物。Five Long Years でお馴染みのエディボイド。スローも良いけどアップテンポも良いですわ。声がエエネン。カッチョイイ。他ではオーティス・スパンも50年代はすげえっすね。
11. MIRIAM MAKEBA  [PATA PATA]  1967
 この頃オ−ルナイトニッポンに夢中でした。私の洋楽原体験。私の懐メロですぅ。牛も知ってるカウシルズとか、夏かし〜。TVではモンキーズ。
 この曲は珍しい南アフリカのポップス。演奏は殆ど4小節の繰返し。南ア独特の、舌を鳴らすタッという発音がこの曲にもいっぱい。今回初めて気がついた。

12. THE ARCHIES  [SUGER,SUGER]  1969
 これまたナツメロ〜。甘くて酸っぱい。あの頃、巨泉のビートポップスてゆー番組があって、藤村俊二の振り付けコーナーがあって、見ながら踊ったなあ。母親に見つかって大笑いされたなぁ。テンポが122の8ビートてのは、私の身体にしみ込んでる1番素敵なテンポです。
13. JOE JACKSON  [STEPPING OUT]  1982
 この頃はヴァージンVSをやってたのだけど、あまり流行の物は聴いてなかった。…今もですけど。
 これ中古のベスト盤で買ったのだけど、これは良いね。米米クラブより断然良いね。GUNちゃんも「Night and Dayは、泣いたんでい」と言ってました。ホール&オーツより渋くてお洒落だったのかも。

14. MITCHELL FROOM(+ハトリミホ) [WAVE]  1998
 今さらですが。ミッチェル・フルーム(&チャド・ブレイク)。ラテンプレイボーイズは勇気の源ですが、このCDも、今後私が何か録音に携わる度に、何回も聞き直す教典になる筈です。デジタルを使わないということは、今や贅沢なんだけどね。濃い味付けなのに素材の鮮度が失われていない。具体的にはこの歪み具合を何とかして真似したいものだ。そして大胆なアレンジ。
15. 石川浩司      [ゴリラの面]   2003
 で、真似出来ているかしら。このCDについては拙文の「おいしい嘘がいっぱい」をお読み下さい。コレ、エレキギターも私なんです。3弦ですけど。このCDを選んでおいて、「百合コレクション」を選ばないのもどーかと思いますが「おいしい嘘」がもっと買われますように、流布されますようにと願いを込めて。

16. しょぼたま  [電車かもしれない]2003
 2001年度と同じ曲を選んでしまった〜。たまについては拙文の「近況とかたまとか」をお読み下さい。19年間に及ぶ「たま」の最後に、この3曲目のバッハのインストで超絶技巧をさり気なく披露する知久くんでした。
17. migu(+小山田圭吾)  [TRAIN RUN]  2003
 日本のCDを買う時、いつも思うのだが、日本語メインなのか英語メインなのか表示して欲しい。これはアラキユウコちゃんに貰ったサンプル盤から。この曲は日本語。とても良いと思う。
 以上でやんした。今回ビートルズ、ネイキッドを入れなかったのは、思い入れが強すぎるのと、嬉しさではDVDの方が上回るので。で、DVDを入れるとするとZeppelinも入れない訳にはイカンでしょう。「LION MERRY の思いで」も入れない訳にはイカンでしょう(?)。で、DVD部門は入れませんでした。長々とおつき合いオリゴ糖ございました。         2004.3.1

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